解体工事においても「DX」は重要な意味を持ち始めています。
遠隔操作技術の流通、自動運転の登場、人口減少といった社会背景は、解体工事を行う当社にも影響は及び、一人ひとりの創意工夫がより重要になっていることを実感しております。

DX、すなわち、デジタルトランスフォーメーションの考え方は、解体工事の品質を大事にしている当社においても、より持続的な価値を今の時代に形づくるために、非常に大切な考え方となっています。
当社ではこれらの背景や考え方を中心にして、DX推進の取り組みを行ってまいります。

1.DXに関する基本方針

「新しい技術を取り入れることが、お客様への信頼につながる」
これは決してただ新しい技術を取り入れればよいということではなく、的確に、かつ、効果的に新たな技術を取り入れることが【より安全な工事の提供】【更なる精度での業務遂行】【人の技術の向上と洗練】につながるという考えです。

これらの方針に基づいて、体制・意識・スキルの面で社員一人ひとりの成長を促すことを、中長期的な経営課題として位置づけます。そして当社が「専門知識と経験の豊富な技術者集団」であり続け、解体工事の価値を創出し続ける将来を目指します。

2.具体的方策

《体制の整備》

DX推進チームを設置し、部門を超えた連携を主導できる役割を持つことを目指します。特に、推進担当者を中心とした課題のボトムアップ体制により、経営層を含む全メンバーが新たな技術や学ぶべきことを発見し続けられる仕組みをつくってまいります。

当社では、解体工事はクリエイティブな作業と考え、現在も担当者がそれぞれ一定の自由な裁量の下、新たなツールの導入・提案について積極的な取り組みを行っています。
今後はこの取り組みに加えて、部門ごとの動きに留まらないように、チーム設置といった形で体制を整え、さらに、工事に関する書類やスケジュールの共有などから社内データ活用の一歩に取り組めるようツール導入検討を進め、円滑な連携体制を促進してまいります。

《DXマインドの醸成》

社員一人ひとりの意欲的な挑戦に対し、積極的に承認を後押しする風土が当社の特長の一つでもあります。元よりオープンな社員のマインドを土台として、 DX推進に際して取り残される人がいないように、一人ひとりが主体的に情報収集・業務時短・精度向上に取り組めるよう意識変化を促してまいります。

特に、すでに実用開始している新たな経理システムの活用や、現場部門と管理部門での情報共有ツールの活用などの成功事例、また、建設キャリアアップシステムや電子マニフェストへの早期段階での対応、 生成AIを活用した調査やファクトチェックに関する取り組みなど、社内の現時点でのDXに関する前向きな事例や動きについて全社的に認識をより広めながら、一人ひとりの意識の向上、および、解体工事業界のイメージアップに貢献し続けます。

《技術的な実践》

「アイディアをスキルに」を合言葉に、思いつきで終わらせずに、実際の業務に落とし込んでいく姿勢を一人ひとりが大事にできるよう支えてまいります。
新たな技術を取り入れた挑戦をするには環境整備も重要となるため、ソフト・ハードの両面から検討を進めてまいります。
DXに関する最新技術の実践へアイディアをつなげるにあたっては、実務に対して効果的かつ達成感に訴求できるものが非常に重要だと考えます。
たとえば誰が現場に行っても見積り対応ができるように目指すなど、あるいは、図面や距離のデータ活用を遠隔で行えるように目指すなど、各業務の属人化されている部分を段階的に減らしていけるように全社的な連携の下、実践の仕組みを整備します。
そのなかでも課題発見・情報収集といった仕組みから、新たなツール導入についての説明機会を経営層から現場担当者へ積極的に設けるなど、ボトムアップとトップダウンの双方向でDXの実践を図ってまいります。

3.人材・指標

解体工事が人の手で行うものであるように、DX推進においても当社が大切に考える「人」の手により取り組みは進んでいくと考えています。
そのために、DXの観点にも立ちながら広く人材育成・人材採用に取り組むことが非常に大切だと考えています。
育成においては、一人ひとりの創意工夫を大事にする観点から、画一的な形式に限らず、たとえば、現場でのアイディアに合った見本市や展示会への定期的な調査も兼ねた参加機会を設けることで 具体的な成長を促したり、実際に導入するツールに関する全社的な説明会に加えてお互いに使い方を教え合う時間や仕組みを設けたり、実践的でスピード感のある成長機会を充実させるように取り組みます。
一方、採用においては、現在も活用しているSNSについて採用面での活用も進め、DX推進の実践紹介などから解体工事における 新しいイメージを具体的に広げていくことで、デジタルに対して前向きな考えを持つ人材を確保していく動きを進めてまいります。

また、成長について広く適正に評価できるように、定期的な指標の見直しを行います。DX推進においては、新たな技術の出現などにより、一元的な習熟度のみでは測れない箇所も想定されます。
そのため、各ツールの習熟度から「人」の成長を見ていくこと、および、当社のDX推進の達成度について「解体工事の見積り精度の向上」「バックオフィス業務の時間軽減」「組織編成による推進体制の整備強化」を 見ていくことを指標として優先的に定めつつも、3年程度の周期でこれらの指標も達成度と時流に応じて全社にて見直しながら持続的なDX推進に取り組みます。

4.DX推進に際する代表メッセージ

このたびは、株式会社沖潮開発のDX推進の取り組みについてご覧いただき、まことにありがとうございます。代表の沖潮よりごあいさつ申し上げます。
さて、当社は「危険に慣れるな・汚さに慣れるな!」「皆が営業の顔を持て!」という考え・心がけを大切にしながら、解体工事という、一見すると伝統的な業界において、 新しくも質にこだわった解体工事の価値観で、お客さまのニーズに応えていくことを使命としてきました。

近年、社会全体がデジタル化の波に乗り、私たちの業界においても、その影響は無視できないものとなってまいりました。建設業界全体で、その取り巻く環境はICT技術の進展、 働き方改革、そしてサステナビリティへの意識の高まりなど、目まぐるしく変化しています。
このような状況下において、当社はデジタル変革(DX)を経営の最重要課題の一つとして位置付け、積極的に取り組んでまいりますことを発信していきたいと考えております。

特に「安全」「信頼」「環境」の観点はDX推進の取り組みにおいても重要だと考えています。
ですが、新しい技術を取り入れるだけでは、それらに直接つながることは少なく、一つひとつの根底には「人」の判断・技術・意識がなによりも大切だと思っています。
もちろん、解体工事以外にも通じる重要な考え方ですが、私たちがこれからの続いていく将来に貢献するため、大事な価値観だと考えています。

DX推進は、決して一朝一夕に成し遂げられるものではありません。しかし、私たちは温故知新の精神で、常に最先端の技術を取り入れながら、 仕事に対する心がけ・姿勢を持ち続け、持続可能な社会の実現に尽力してまいります。
今後も、お客さま、現場の近隣の皆さま、社員、ご家族の皆さま、そして社会の皆さまに、広く満足・共感していただけるように成長と貢献を続けてまいります。
今後とも私たち沖潮開発をよろしくお願いいたします。

代表取締役 沖潮 吉績